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2025.07.08 - 
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アルバム・シングル2011年10選

2012.01.04 - 音楽全般
ジャンルごちゃ混ぜですが、2011年発売の音楽から特に気に入ったものをシングル・アルバム10枚ずつ挙げてみました。


Albums (Bands are in alphabetical order.)


1. Ajattara『Murhat』
相変わらず密教的な雰囲気を湛えた音楽性を貫いて唯一無二の存在感を発揮。あまり大きな声では言えないけどクリーンヴォーカルに関してはパシ・コスキネンの声の方がトミ・ヨーツセンより好きw

Ajjatra - Murhat



2. CHTHONIC『Takasago Army』
東洋的な旋律を世界デビュー前と同等のレベルに押し戻した上でブルータリティを増した強烈なアルバム。サウンドプロダクションも向上されて個人的には近年のCradle of FilthやDimmu Borgirなんかよりは遥かに好き

CHTHONIC - Takasago Army



3. Crowbar『Sever the Wicked Hand』
蠢くへヴィネスをさらに増しながらもメロディにも力を入れてメリハリが出るようになったことでアルバム通してダレる印象が無くなった

Crowbar - Sever the Wicked Hand



4. D『VAMPIRE SAGA』
重低音の響きを強調しながらもより中世ヨーロッパ的な世界観を取り入れた楽曲はVersaillesよりもメタルリスナー向き。コンセプチュアルでありながらも1曲1曲のクオリティが高い。

D - VAMPIRE SAGA



5. DIR EN GREY『DUM SPIRO SPERO』
好悪別に『UROBOROS』とは比較できない作品であることは間違いないが、凄すぎて全体を理解することが未だに出来ていない。前作以上にアルバムトータルとしての作品という印象の楽曲が多くなるも、シングルカットされた曲などの求心力は異常なまでに強力。DIABOLOSやVANITASなどの大作には息をのむばかり。

DIR EN GREY - DUM SPIRO SPERO(完全生産限定盤)


DIR EN GREY - DUM SPIRO SPERO

 


6. the GazettE『TOXIC』
元々好きなバンドでもあり曲単体であればV系史に残る名作を発表してきた彼らだが、アルバムとなるとこれまでは彼らの作品を聴かなければならない必要性を感じなかった(Stacked Rubbishは別格w)。
しかし今作では国内のバンドとも海外のバンドとも一線を画す孤高の楽曲観を確立。目新しいわけではないのに、彼らでしか聴けない楽曲に満ちていて大きく飛躍。凡な意見だとしても、シングル曲の水準の高さは凄まじく、それらを繋ぐアルバム曲の世界観、完成度も見事。


the GazzettE - TOXIC




7. lynch.『I BELIEVE IN ME』
徐々にスクリーモなどの影響を強く反映させてきた最近の彼らの音楽性の集大成となるであろう作品。バラードもあるにせよ息を突かせぬ緩急の「急」に青く燃えるような内燃性を纏わせ颯爽としつつも重いアルバム。相変わらず楽曲の配置が上手い。「SCARLET」と『Adore』収録の「an illusion」との関連性などの小技もシブい。

lynch. - I BELIEVE IN ME



8. MoNoLith『fiction&non-fiction』

今年一番の財産は彼らのライブに出会えた事。ディル京さん並みのホイッスル、グロウルを使いこなす柳さんとオサレ系にいそうなケイタさんのツインヴォーカルを中心にハードコアな楽曲からポップソングまで全てにクオリティが高い。特に「Fairy-tale」に顕著な胸を締め付けるようなメロディラインの楽曲制作の上手さは筆舌に値する。個人的にはシューヘイさん作曲推しw

MoNoLith - fiction&non-fiction



9. Perfume『JPN』
かなりアーティスティックなテクノポップを聴かせていた『GAME』『⊿』よりは格段にアイドルよりのPopsでありながら、前作よりも抑えめのヴォーカルエフェクトによって押し出された個々の声色を持ち味に、あくまでもアーティストの一線に踏みとどまっていることを印象付けさせた1枚。メジャーデビュー前の楽曲に近い底抜けに明るいテイストが軸となっている。もちろん、漆黒の夜空の中に輝く絶妙な温度感を持った楽曲も魅力

Perfume - JPN



10. V.A.『戦国鍋TVミュージック・トゥナイト~なんとなく歴史が学べるCD~』
のぞふぃすきっかけで見始めた番組自体も好きだったことに加えて、個人的に椎名林檎並みに好きなw奥野愛子さんが楽曲を担当しているということで相当聴きこんだ1枚。決して番組ありきの楽曲ではなく純粋に音楽として鑑賞に耐えうる作品に仕上がっている。出来ればカラオケバージョンを収録する代わりに、未収録となっている楽曲を収録して欲しかったが、それでも十分高品質の作品。のぞふぃす参加の「AZAISM」のPerfume的センスも良いが、メランコリーを隠し味とした奥野節満載の「敦盛2011」も推せる

V.A. - 戦国鍋TV ミュージック・トゥナイト~なんとなく歴史が学べるCD~



次点は沢山ありますが、Vae Victs『My place in hell』LUNA SEA『LUNA SEA』Fastkill『Bestial Thrashing Bulldozer』Tyr『The Lay of Thrym』東京女子流『鼓動の秘密』己龍『夢幻鳳影』Trap Them『Darker Handcraft』大佑と黒の隠者たち『漆黒の光』AKB48『ここにいたこと』をよくヘビロテしていました。他にもありそうですが、2011年で登録していなくてiTunesのスマートプレイリストに引っ掛からなかったアルバムも多いので、漏れている可能性もあります。

番外編として、今年発売じゃないけど聴きまくったアルバムはAKB48チームK『青春ガールズ』Chocolove from AKB48『Waves』DIR EN GREY各アルバムAjattara『Noituuma』Amorphis『Tuonela』NEGAROBO『EMERGENCY』SxOxB『What's the Truth』Behemoth『At the Arena of AEON』lynch.各アルバムZoroaster『Matador』etc.、、、キリがないので止めておきます。



続いて楽曲編。アルバムに挙げたバンドからは重複しないように選出しています。


Tunes (Bands are in the Japanese syllabary order)


1. R指定「毒盛る」
the GazettE並みとはいかないまでも、これで殻を打ち破った感のある強烈な1曲。こういう曲が出来るとよく先人たちの曲との類似性を指摘されたりしてdisられることがあるが、そのほぼ100%が似てないし(結局音楽に対する無知を晒しているだけ)、自分が出来もしないことをdisるやつは人間としてどうかと思う。とにかく良い曲


2. AKB48「風は吹いている」
井上ヨシマサさん作曲以外のシングルでこんなにハマるのは久しぶりかもしれない。批評という名の下で拙い偏見に覆われてしまった人々を振り向かせるのは難しいことだが、「無関心」だった人々を振り向かせるだけの言葉の力、楽曲のシリアスな魅力は十分にある


3. SKE48(小木曽汐莉・古川愛李)「眼差しサヨナラ」
公演曲はだいたい2人か3人くらいのユニット曲に佳曲が多いがこれも御多分に洩もれず。KIIを昔から追っていた方々にとってはこの公演の全曲が宝物みたいなもので聴くだけで泣けてきちゃうんだろうな、と思うが、そんな感慨が無くとも魅力的な1曲


4. NMB48「三日月の背中」
誰になんと言われようと難波ではこの曲が一番好きw1周年記念コンサート観たかったなー...


5. 陰陽座「紺碧の双刃」
ほんのわずかだが類型化してきたシングル作品が続いてきた中でついに類型化から進化に至った楽曲。狩姦さんのギターソロもパターンから脱し隙の無い一曲に仕上がった。PVでその逞しさが際立つ瞬火さんのサビ前の咆哮も90年代のアメリカンメタルを彷彿とさせ最高。これだけ完成度の高い1曲でありながら今月21日発売のアルバムには収録しない程のこだわりを貫いた新作にも期待


6. 黒夢「MISERY」
ついに復活した黒夢。私見を言わせてもらえば人時さんの存在意義が見えない、清春さんのソロや近年のSADSの延長としか聴こえない楽曲には少しがっかりしたが、そういった偏見を除き純粋に対峙すれば
非常に力強い世界に誇れる1曲になっている。でも、出来れば...(笑)


7. König「Deep」
SugarのLokiさん主導のバンド。名古屋系のドロドロとした深淵を引き継いだ楽曲群の代表例。ヴァース、ブリッジ、サビと徐々に聴き手の気持ちを高揚させるメロディセンスは相変わらず見事。いち早くフルレンスのアルバムを期待したいところ


8. SABER TIGER「Light-Thunder-Light 2011」
微妙に反則技だが思い入れのある曲ということで少し特例。まさにExceptions can be made.です。個人的にもお世話になった木下御大の叙情性炸裂、そして当時のVoだった久保田洋子氏による武士の決闘を比喩するかのような歌詞も廃れることなく活きている。どうせなら世界進出を目指すのだから、英語詩に書き直すべき、という意見もあるが、どちらが楽曲に魂を吹き込めるかは明白。手放しで称賛されることの多い下山さんのVoによるリメイクには世論とは裏腹に良い思い出が無かったが(笑)、今作はしっかり原曲を壊すことなくハマっている


9. Born「Demons」
最近のV系に顕著なMAメタル、メタルコア譲りの欧州的なリフから畳み掛ける猟牙さんのVo、その勢いで無理やり抑え込んできた感情を一気に爆発させるようなサビのコントラストが素晴らしい。これぞBornの真骨頂。ライブでは勢いに加えて再現力も増してきた彼らに今後も大きな期待


10. YUI「Green a.live」
日本の音楽市場に活気があり玄人気質な素人wにある程度の購買力があれば、バカ売れしてもおかしくない佳曲。売上でしか後世に受け継がれていかない現在の日本の音楽市場の歴史の中に埋もれさせてしまうのはもったいなさ過ぎる。とはいってもかなり売れているから良いのか(笑)


次点にDIVA「エリアK」ムック「アルカディア feat. DAISHI DANCE」vistlip「SINDRA」シド「rain」SKE48「孤独なバレリーナ」等々。

あまりヘヴィメタル、特にエクストリームなものに関しては楽曲単位で聴くことが無いのでどうしてもメインストリームなものに偏ってしまいますね。

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経済学の勉強法 その2(マクロ経済学)

2011.10.18 - 経済学
今回はマクロ経済学についての勉強法や教科書を紹介していきたいと思います。

大学院でのマクロ経済学

経済学という学問を大学院で学ぶにあたり、最大の戸惑いが生じるのがマクロ経済学だと言われています。

それは明らかに「動学」と呼ばれる時間の概念の導入が原因でしょう。この「動学」と「静学」の定義や違いについては多くの文献、ブログで紹介されているのでご存じな方も多いと思います。

今回もそうした一般的な概念については省略して話を進めていきます。

勉強法

大学院でのマクロ経済学の準備をするにあたってよく言われているのが、「ミクロ経済学の知識が重要になってくる」というようなことです。
確かに現在のマクロ経済学の主流は「ミクロ経済学的基礎付けのなされたマクロ経済学」というものですが、これは単純に理論的な手法の問題であって本質的なマクロ経済学の理解とはあまり関係ないような気がします。
そもそもミクロ経済学で取り扱う経済主体の相似拡大がマクロ経済学に適用可能なのかという部分も議論の余地が大いにある問題です...。
学部時代に準備を進める段階でそこまで気にすることはないでしょう。


とはいえ、ミクロ的なマクロ経済学が大学院マクロの主流であるという傾向はそう簡単には覆らないでしょうし、どちらにせよミクロ経済学も勉強しなければなりませんからその重要性は変わりませんね。

さて、大学院のマクロ経済学で主に必要となる知識は以下の様なものです。
  • 動学的最適化問題(動学的ラグランジアン、ハミルトニアン、ベルマン方程式、BS条件(Benveniste and Scheinkman Condition)、オイラー方程式)
  • 基本的な確率論
  • 差分方程式
  • MATLABやFortran等のコンピュータ言語
動学的最適化問題に関しては「ベルマン方程式」で検索すれば多くの講義ノートが転がっていますから、それで勉強すればいいと思います。事前に微分の知識があれば十分独学で対応できます。
確率論に関しては労働部門のサーチ理論で出てきますが分布関数と確率密度関数の関係性程度が理解できていれば大丈夫だと思います。
差分方程式に関しては理論的知識はほぼ必要なく純粋に計算手法として出てくるだけですから使い方だけ覚えれば十分です。
コンピュータ言語が必要だということは意外かもしれませんが、これはマクロ経済学が解析的な解が求められないほど複雑化した結果だということの表れです。しかも、Excelのようにデータを入れればほぼ計算はパソコン任せ、という次元ではないので片手間で覚えられる知識ではありません。大学院に入って忙しい中で習得するのは難しいので出来るだけ学部時代に身に付けておきたいスキルのひとつです。また、独学も難しいと思いますので、例えば情報工学系の授業を聴講したりプログラミングの出来る友人の助けを借りながら地道に覚えていくのが最良かもしれません。


マクロ経済学の教科書

齊藤誠教授他による「マクロ経済学」(有斐閣)、二神孝一「マクロ経済学」など入門から上級の入り口までを網羅した教科書は多いです。
本質的なマクロ経済学の理解を進めたいならばそうした教科書の内容の理解が前提となります。
ただし、そうした根源的な知識が無くても「学べてしまう」のが現在のマクロ経済学です。
マクロ経済学(New Liberal Arts Selection)


 マクロ経済学



Web上で公開されている講義ノート


分厚い教科書よりも分かりやすくて独学しやすいのは、実は講義ノートです。現在は多くの大学で講義ノートがWeb上で配布されていますが、一般公開されているものも多くあり活用しない手はありません。無料ですし。

どのように入手するかというと、好きな大学ホームページの教員ページからマクロ経済学を担当している教授のホームページへと辿れば大抵「Teaching」や「講義資料」の名前のトピックが存在するので、その中のマクロ経済学の講義ノートのPDFをダウンロードするという流れです。
これら講義ノートの利点は計算過程や理論的背景など教科書では省略されがちな項目が仔細に記載されているところです(だからこそわざわざ講義ノートにしているのですがw)。すなわち、独学に最適なテキストになり得るということです。宿題がアップロードされている大学院も多いです(とくにアメリカ)から、自らの到達点なども測る事が出来ます。

とはいえ、講義ノートは教科書の要約、あるいは補足に過ぎませんから以下で紹介する教科書による本質的な理解も必要となってきます。


Advanced Macroeconomics by David Romer

中級から上級レベルのテキストとして読みやすい一冊。ただし、すでに古い気もするので3章くらいまで読んで、上級はこんな感じなのかー、という手ごたえを掴んだら次の教科書に進むのが賢明な気がします。

Advanced Macroeconomics (The Mcgraw-Hill Series in Economics)



The ABCs of RBCs: An Introduction to Dynamic Macroeconomic Models by George McCandless

大学院でのマクロ経済学といえばRBCという感じですが(リーマンショック以降はそうでもありませんが...)、その代表格的テキスト。最初の数章は数学的にも比較的分かりやすく頑張れば独学も出来るかもしれません。


The ABCs of RBCs: An Introduction to Dynamic Macroeconomic Models [ハードカバー]





Recursive Macroeconomic Theory by Lars Ljungqvist and Tohmas Sargent


上級マクロといえば現在は避けては通れない一冊。上級マクロ経済学に関する広範なトピックが網羅されており、サーベイ文献として活用することも可能だったりします。いきなりマルコフ過程の説明が出てきて面食らうこと間違いなしですが、他の教科書や資料でマルコフ過程について勉強した後ならさらっと通過できるかもしれません。
中盤~後半の章は独立して読む事も可能なので気になるトピックを重点的に勉強する事も可能です。ただやはり、独学するのは辛いかなー...

Recursive Macroeconomic Theory [ハードカバー]



Monetary Theory and Policy by Carl Walsh

金融部門をカバーしつつ、大学院でのマクロ経済学の数学的素養も鍛えられそうな一冊。この教科書で中心となるのはRBCと並んで重要なニューケインジアンという概念ですが、用いる数学的なレベルには大きな違いはありません。説明が丁寧なのでじっくり読んでいけば理解できる内容です。


Monetary Theory and Policy [ハードカバー]




マクロ経済学はミクロ経済学よりも体系化されていない部分が多いので大学によりカリキュラムの構成もまちまちです。まずは自分が進む大学院のカリキュラムでどのようなことを勉強するのか、どのような教科書を用いているのか、ということをチェックして準備に取り掛かると良いでしょう。 

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経済学の勉強法 その1(ミクロ経済学)

2011.10.15 - 経済学
今回から数回に分けてミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学についての勉強法・教科書を紹介していきます。

対象とするのは主に大学院を目指す学部生です。もちろん公務員試験で経済学が必要な方にも参考になる情報があると思います。

第1回目はミクロ経済学です。

「ミクロ経済学とはなんぞや」といった蘊蓄を述べた情報は世の中にごまんとあるので、このページでは単刀直入に

 ・どのような勉強法がよいか

 ・どのような教科書を使えばいいか

を中心に説明していきます。

ミクロ経済学を学ぶにあたり

大学院に進んでミクロ経済学を学ぶ際に必要となる前提知識は微分くらいです。

それよりも定理の証明などが求められることが学部時代と比べ格段に増えるので、今のうちに慣れておくと良いでしょう。

そうなると中級の教科書では証明は省かれることが多いので上級テキストを読む必要性が生じます。

はじめのうちはそういった証明の過程が回りくどく感じるかもしれませんが避けては通れない道ですのでじっくり腰を据えて取り組んでいきましょう!

その点を除けばマクロ経済学のように学部と大学院とのギャップを感じることは少ないでしょう。

勉強法

    大学院でのミクロ経済学の焦点は学部までの計算偏重から定理・補論の証明へと移ります。ややこしい微分が出てくるというよりは背理法のような案外基本的な 証明手順を使いこなす力の方が役立つと思います。また宿題の量・質ともに格段にレベルアップし文献も英語が多くなるので、大量の英語の文章を 読みこなす力も重要です。
    学部生のうちから大学院の講義や友人との勉強会で鍛錬を積んでおくとよいでしょう。特に、大学院を志す学生は4年時の大半は割と暇だと思うのでそうした時 間を有効活用して「MWGの数学補論を読破する」の様な短期集中で完遂できて明確な目標を数多くこなしていくのが成功への近道かもしれません。
   
ミクロ経済学の教科書

Microeconomic Analysis by Hal R. Varian
   
    西村和雄先生のミクロ経済学武隈慎一先生 のミクロ経済学を学んできた方が次に進むのに最適な一冊。
    情報の経済学やゲーム理論に関する部分は内容が薄いがその他の伝統的なミクロ経済学理論(消費者理論など)は説明も丁寧で定評があります。証明も背理法を 中心に展開されており自力で証明する力を養いやすい内容といえます。
    ただし、本書のレベルでは現在の大学院レベルのミクロ経済学を学ぶには不十分であり学部時代に読了しておく方が望ましいでしょう。逆に言えば、このくらい の内容が学部生時代に理解できないと大学院入試は合格できても入学後に優秀な成績で単位を取るのは難しいと言わざるを得ないです。

    話が逸れますが、4年間ある学部生時代と違い、2年間、さらにコア科目と言われるミクロ・マクロ・計量を1年目に取らなければいけない修士課程とでは キャッチアップに充てられる時間が大きく違います。ひとたび躓けばあっという間に置いてかれてしまうのが大学院です。躓かないために、そして躓い ても素早くキャッチアップできるように学部生時代から能動的な向学心が必要だと思います。

    というわけで、本書を学部生時代に読了するのが大学院生への第一歩といえるでしょう。
Microeconomic Analysis [ハードカバー]



Advanced Microeconomic Theory by Geoffrey A. Jehle

    オークション理論や社会厚生など上記Varianで薄い項目が充実しています。また、2財モデルを中心に説明を進めるなど学部生でも十分読破できる内容だ と思います。数学的に分からない部分があれば巻末に数学付録がついていますし独学も可能な内容だと思います。
Advanced Microeconomic Theory [ペーパーバック]



Microeconomic Theory by Mas-Colell, Winston, and Green

    通称MWG。現在、ほとんどの大学院で本書をミクロ経済学の指定教科書としているのではないでしょうか。ゲーム理論等に関しては別書の方が詳しいですが、 ミクロ経済学に関する大抵の知識はこの教科書で学ぶことができると言っても過言ではないです。
    また、各章の最後に収録されている練習問題も時間をかけて本章の内容を読み返せば解けるレベルから答えを読んでも分からないレベルの問題まで幅広く収録さ れております。練習問題の解答例はハードで出版されてもいますし、ネットでゴニョゴニョされていたりするので意識の高い学部生なら独学での挑 戦も可能です。また、この公式解答例はタイポが多いのでその辺りが感知できるようになれば大学院で躓くようなことはないだろうと思います。
    コアコースが終わった後も辞書として活用できる色々と厚い一冊です。
Microeconomic Theory [ペーパーバック]



A Course in Microeconomic Theory by David M. Kreps 

    MWGの弱点であるゲーム理論パートを補完するのに最適な教科書。説明もかなり丁寧で独学でも挫折せずに読み進めることができる内容となっています。
A Course in Microeconomic Theory [ハードカバー]



Game Theory by Fudenberg, D. and J. Tirole

    Kreps同様定番のゲーム理論の教科書。ゲーム理論の入門書として有名なGibbonsPrimer in Game Theoryの理論的に精緻化した内容といえます。構成なども似ているのでGibbonsで勉強したと いう方は本書も読みやすいかもしれません。
    数学的には600ページもあるだけあってかなり厳密に扱われています。実社会へのゲーム理論の応用も解説されておりゲーム理論を専門にしたい学生なら目を 通しておいて損はない一冊だと思います。
Game Theory [ハードカバー]



ゲーム理論 by 岡田章

   
こと経済学に関しては上級書が手薄な和書ですが、本書は上記2冊のゲーム理論の教科書に負 けず劣らずの良書です。数学的な解説もがっつりなので和書だと思ってなめてかかると痛い目に遭うかもしれません。
    最近発刊された新版では進化ゲームについての章が追加されさらに充実した内容となっているそうです。英語の教科書を読んでいて上手く理解できない時に翻訳 書代わりに利用する、なんて使い方も出来そうです。
ゲーム理論 新版



A Course in Game Theory by Osborne, M. J. and A. Rubinstein

    ゲーム理論界における辞書として活用できそうなのが本書(ゲーム専門ではないので定かではありませんがw)。前述の3冊やMWGの上をいく厳密さで総仕上 げとして読むのにふさわしい(?)内容だと思います。
    ただし、これをメインの教科書として使うには少々骨が折れすぎるのでピンポイントに読み込んだり証明の確認程度に使うのが効率的な勉強法だと思います。た ぶん、独学ではキツい内容だと思いますので、学友や教授の協力を仰ぎながらワイワイ勉強するのが良いと思います。
A Course in Game Theory [ペーパーバック]



というわけで、大学院に進むにあたり勉強しておきたいミクロ経済学の教科書たちでした。

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はじめに&簡単な自己紹介

2011.10.14 - フリーカテゴリー

はじめに

このブログでは経済学や英語の勉強法に関する話題やV系、ヘヴィメタルなどの音楽に関する話題を中心に自由に書いていきたいと思い ます。

簡単な自己紹介

名前:KJ
職業:大学院生修士課程(経済学)
趣味:ライブ、囲碁、観劇

こんな感じで宜しくお願い致します。

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 プロフィール 
HN:
KJ
性別:
非公開
 合法幼女症候群 on タワレコ 
NO 合法幼女症候群 NO LIFE
『合法幼女症候群』エモとモエ(萌え)を融合させた新感覚のRinaとNatsumiによる"モエーショナル アイドル
 TOWER RECORDS