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経済学の勉強法 その3(計量経済学)

2013.08.24 - 経済学
以前ミクロ経済学、マクロ経済学について紹介しましたが、今回はミクロ・マクロと並んでいわゆるコア科目と呼ばれる計量経済学についての勉強法を書きたいと思います。

大学院での計量経済学

大学院での計量経済学もミクロやマクロ同様学部時代とは毛色の違う科目だと言えます。
若干の証明や理論を学びながら社会科学のツールとして実用的な計量分析の手法を学ぶ学部時代とは違い、大学院ではより数理的な学問として計量経済学を学んでいきます。
数理統計学の授業を履修した事のある方なら、その延長線上と考えてもらっても良いかもしれません。
特に線形代数、確率論の知識が大きく活かされる学問だと言えます。ただし、そういったバックグラウンドは一般的な計量経済学の教科書を読みながらでも身に付けられるレベルでも十分対応できると思います。

勉強法

ミクロ経済学同様、証明が必要な定理が増えるので証明の手順になれる事が必要です。
さらに積分やベクトルの微分などの含まれた複雑な計算を要する証明なども求められると思うので計量経済学の教科書の補論などでそうした知識の習得を目指しましょう。
また、信頼区間や統計量などに関する統計的な計算は慣れることで計算効率を上げることが出来ます。入門統計学にあるような問題から徐々に身に染み込ませていきましょう。

教科書

現代数理統計学 by 竹村彰通

計量経済学を学ぶにあたって最低限の統計的推測理論のバックグラウンドは必要となってきます。
本書は決して読みやすい本ではなくむしろ数理統計学を学部生から遠ざけてしまうような一冊なのですが、推測理論に関する各章に関しては豊富な記述が整っていて役に立つと思います。
これが読みづらいという方は稲垣宣生『数理統計学』がお薦めです。


現代数理統計学 - 竹村彰通


数理統計学 - 稲垣宣生



確率論ガイドブック
by 伊藤清(企画・監修)渡辺信三/重川一郎(編集) 

学部時代までは計量経済学や統計学が「得意」だと思っていた方が躓きだすのが確率論や測度論といわれる深淵に踏み込んだあたりだと思います。
本書はそうした深淵を網羅した画期的な一冊です。
世界の伊藤と呼ばれた伊藤清氏亡き後その構想を継いだ編著者陣が完成させました。
困った時の辞書代わりにも出来そうです。

確率論ハンドブック ‐ 渡辺信三・重川一郎 編



Econometric Analysis
by William H. Greene

実は大学院レベルの計量経済学においてミクロ経済学におけるMWG、マクロ経済学におけるSargentのような決定版というべきテキストを示すのはなかなか難しいです。
その中で、このGreeneは「何でもあり」な感じで幅広く、悪く言えば雑多に計量経済学に関するトピックが詰め込まれています。
豊富な実証例や理論的な記述にも実証的な側面に則した背景がある事を補足したりとなかなか実用的なので好きな人は好きなんじゃないかと思います。
計算過程の説明や数学補論もかなり丁寧です。
が、大概評判は芳しくありません(笑)
おそらく、上記の丁寧さに付随する冗長さや過去のエディションの読みづらさなども起因していると思うのですが、近年の新版ではそうした読みづらさなどは改良され、毎版アップデートされる実証例とともに使いやすい一冊だと考えています。
また、誤植が多すぎるのも御愛嬌なのですが、著者のホームページではそうした誤植の訂正、また誰がその誤植を指摘してくれたかクレジットが紹介されています(結構Author himselfなんて部分が多くてウケます)。
国際版で安価なエディション(それでもお高いですが)もありますのでこの一冊を中心に以下で紹介する教科書を副読本として参考に勉強していくのもアリだと思います。

Econometric Analysis - William H. Greene



Econometric Analysis of Cross Section and Panel Data
by Jeffrey M. Wooldridge

Greeneよりも一般的にメインテキストとして活用されているのがこちら。
Greene同様、丁寧な記述でそこが冗長だと言う意見は多いですが、そのおかげで挫折しにくい一冊だと思います。
Greeneに慣れてしまった身としてはなんとなく無味乾燥な感じがして読む気が起きないのですが、ミクロ計量分析などを勉強したい方なんかには登竜門的な一冊だと思います。

Econometric Analysis of Cross Section and Panel Data - Jeffrey M. Wooldridge



Time Series Analysis
by James D. Hamilton

その名の通り、時系列分析のための一冊。
GreeneやWooldridgeでは弱い時系列の部分をカバーするならこの一冊が最適でしょう。
また学部生でも十分読めるレベルなのでこの一冊を通読するのも強力なトレーニングになるんじゃないでしょうか。

Time Series Analysis - James D. Hamilton



Econometrics
by Fumio Hayashi

GMMに関するテキストとして定評のある一冊。
GreeneやWooldridgeなどでGMMまで一通り理解したらこちらのテキストに移行するというやりかたも良いかもしれません。
どちらかというとミクロ的な部分(Discrete Choice等)は薄いので他のテキストで補足しながら読み進めていけば、計量理論でもやらない限り大学院では十分な知識が身に付けられるでしょう。

Econometrics - Fumio Hayashi



Advanced Econometrics
by Takeshi Amemiya

日本が誇る世界的計量経済学者、雨宮教授による代表的な計量経済学のテキスト。
少し古い本なので、さすがにこれをメインにするのはお勧めできませんが、MLEやTruncated Data(切断データ)等に関する記述では未だに世界トップクラスだと思います。

Advanced Econometrics - Takeshi Amemiya



以上に挙げたテキストはほんの一例、基本中の基本なわけですがどれか一冊を選んで勉強し、他のテキストで特定の項目を補強していく勉強法を積んでいけば大学院に向けて十分すぎる準備が出来ると思います。

以上。

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